女子野球 第4回(4月27日)
女子野球チームを作ろう!〜地域とのつながりの中で

指導者

 生まれてこのかた一度もグローブをはめたことがない、という男性はほとんどいないだろう。 野球をやりたいと思えば、小学校から大学までさまざまな場面で経験を積むことができ、成人でもレベルに合わせてチームを選べる。 しかし、女子は違う。 小学生で少年野球を始めても、中学校ではなかなか野球部には入りにくい。 高校に上がれば女人禁制。 女子野球部を持つ高校は数少ない。 中京女子大の硬式野球部が注目を集めているのが現実で、野球に興味はあっても、手を伸ばせば届く範囲内にないのが実情だ。 ましてや自分のレベルと思いに合わせたチーム選び、なんて難しい。

 広島県で唯一の女子軟式チームである広島レッズのメンバーも、全くの初心者から全国代表選手までバラバラ。 できる人ができない人に教えるということももちろんだが、全国大会で戦うには、やはり技術面から心理面にいたるまで指導者が必要だろう。

 指導者と言っても、女子野球を知る人は皆無。 しかも発足したてで、海のものとも山のものともつかぬチームのために毎週末の時間を使ってやろう、という人なんてなかなかいない。 ついでに言えば、女子チームに関わる男性というのは、ともすれば「面白半分」「下心があるんだろう」などと世間に見られがちなのも事実だ。 かといって、首脳陣を女性が担うほどの層は、まだない。

 2003年にチームが発足した当初、一緒にチームを興した相方(女子)が監督になり、プレイングマネジャーとなることにした。 コーチは、団地のグラウンドを使えるように手配をしてくれた体協ソフトボールの男性選手が務めてくれることに。 グラウンドを使わせてもらうよう話をする中で、チーム発足のきっかけから目標とする全国大会での勝利まで、野球への思いを、ひざを交えてじっくり話し合った結果だった。 「3年で優勝が狙えるまでにしたい」との言葉が鍵になった、という。

  さらに、選手の知人でグラウンドに練習を見に来ていて、手伝ってくれた男性に、女子野球について話し、全国大会に出場する旨を説明して思いを伝えた。 「できる範囲内」という条件でコーチを引き受けてもらった。 今はこの男性が監督だ。 毎週末の練習での熱のこもった指導に加え、彼が所属する男子軟式野球チームのメンバーも練習に出て指導してくれたり、一緒に野球談義に花を咲かせたり…。 試合の見学に通うレッズメンバーも少なくない。 野球経験の少ない自分たちにとって、経験豊かで国体候補に挙がるほどの選手たちとの交流は「野球」を体だけでなく、頭と心で学ぶ良い機会となり、広島レッズの「頼れる兄貴チーム」となっている。

Written By : 二井 理江, NII, Rie
上智大に在籍中、同大学の創設当初の女子軟式野球サークル(現在の体育会女子軟式野球部)に在籍。
中国新聞に就職し、山口県徳山市(現周南市)に赴任。赴任先の女子軟式野球チームで活動を続け、社会人全国大会に参加。広島に転勤後、広島でチーム広島レッズを立ち上げる。
広島レッズweb http://www7a.biglobe.ne.jp/~hiroshima_reds/