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女性とスポーツに関する本

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女性とスポーツ環境

著者/保健学博士 石田良恵
発行/モダン出版
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CONTENTS

<Chapter1>
女性の身体特性

<Chapter2>
女性と体脂肪の関係

<Chapter3>
女性スポーツ選手の
身体特性
<Chapter4>
パフォーマンスと
女性の身体
<Chapter5>
女性スポーツの
歴史と現状
<Chapter6>
Dr.Pfister講演ノート

○体格における性差
○加齢に伴う身体組成の変化
○更年期と骨粗鬆症
○女性の身体的特徴
○月経が女性の身体に及ぼす影響
○PMS(Premenstrual syndrome)生理前症候群
○性ホルモンの身体への影響

○肥満の定義
○脂肪の蓄積の仕組み
○脂肪細胞の構造
○体脂肪の合成
○脂肪の役割
○人ひとりのエネルギー
○脂肪は全身に存在する
○BMI(Body Mass Index) と肥満の判定
○エネルギーバランス(摂取量と消費量との関係)と理想的な減量
○減量のための運動(体脂肪を燃焼するためには運動が必須条件)
○体脂肪燃焼と運動の関係
○体脂肪を燃焼させる有酸素運動
○脂肪を燃やすのに欠かせない2種類の筋肉
○運動種目別にみた有酸素運動の特徴
○栄養素の役割
○減量に役立つ食物繊維
○女性と脂肪の関係
○緑黄色野菜と活性酸素
○ビタミン
○ミネラル
○脂肪の上手な摂りかた
○補助栄養食品(サプリメント)

○オリンピック選手の場合
○女子選手の競技種目からみた身体特性
○女子長距離選手の骨密度
○骨塩量の測定法
○女子運動選手の骨強度
○体脂肪率とパフォーマンスの関係
○月経と骨密度の関係
○年齢および性差との関係
○疲労骨折の予防と対策
○女性スポーツ選手特有の障害と疾患
○女性選手の貧血
○女子スポーツ選手とFAT(Female Athlete Triad)
○運動性無月経(amenia of athletes)
○減量と摂食障害の関係
○女子選手と心身症
○体脂肪との関係
○身体の加工と改造
○パフォーマンスとドーピング
○パフォーマンスと月経
○パフォーマンスと脂肪
○女性は男性の記録を超えられるか
○「女人禁制」で始まったオリンピック
○女性スポーツと服装の変化
○近代社会と女性スポーツ
○2つの世界女性スポーツ会議−IWGとIOC−
○ブライトン宣言とIOC(国際オリンピック委員会)、JOC(日本オリンピック委員会)
○ブライトン宣言

資料−男女共同参画社会基本法−
○女性アスリートとマスメディア、オリンピック大会
○ジェンダー秩序
○ジェンダーを行為する
○スポーツにおいて「ジェンダーを行為する」こと
○スポーツの発展とマスメディアの役割−歴史的観点から
○体操の女王からフロー・ジョー(Flo Jo)まで−1970年代から1990年代のスポーツとマスメディア
○ビキニやヌードになるアスリートとスポーツのパフォーマンス −市場」におけるスポーツ
○アスリートの商品化−その背景と理由
○アスリートと「ジェンダーを行為する」こと

 

女性とスポーツ環境はじめに

近年、わが国の女性が国際的なスポーツの場面で大活躍をしている姿を見るのはさほど珍しい光景ではなくなってきました。シドニーオリンピック女子マラソンの高橋尚子選手の優勝に始まり、アテネオリンピックでの女子選手の活躍は見事でした。女子マラソン、競泳、レスリング、柔道などでの優勝者が次々と見せてくれた爽やかな笑顔は、まだ記憶に新しいことと思います。何度思い出しても胸のすくような活躍ぶりには、多くの人達が様々な思いで勇気をもらったことでしょう。

ほんの30数年前までは女性がマラソンなどとんでもない、激しいスポーツは女性には向かないとされ、マラソンレースには女子選手が出場できない時代が続きました。ところが、現在ではマラソン大会でも女性が颯爽と風を切り道路を走り抜ける姿は特別な出来事ではなくなりました。しかし、このように変貌した女子スポーツ界は、100年前、オリンピック大会に女子選手が数名しか出場しなかった当時では誰も予測できなかったのではないでしょうか。

そして、21世紀に入り、女性がスポーツを楽しむ、スポーツにより健康を増進する、トップアスリートになる、プロ選手になるなどスポーツ界は多くの女性たちにその裾野をひろげ女性が生きることへの選択意識を高めてくれる時代へと流れてきました。女性達がスポーツ界に積極的に進出し活躍する姿は多くの女性の憧れにさえなってきました。

ところで、女性と男性の間には、身体特性において決定的な違いが存在します。女性の場合、妊娠、出産が可能です。したがって女性の身体は基本的にこれにふさわしい身体構造となり、男性とは生物学的な差異が存在します。この違いは多くのスポーツの場において高いパフォーマンスを発揮しようとした場合、女性にとってはマイナスの要因となります。何故ならば、男性ホルモンはタンパク質の合成を促進し筋量を増やす方向にあるのに対し、女性ホルモンは脂肪の合成を促進します。そのため、健康な成人男女の身体組成には筋と脂肪の付着状態に顕著な性差を生みます。つまり、筋力は筋の断面積に比例することから、筋量の多寡は直接パフォーマンスに影響を及ぼします。女性特有の脂肪量が多く、筋量が少ない身体は男性に比べ、特に競技パフォーマンスの面ではマイナスとなって現れます。したがって、女性にとって高いパフォーマンスを発揮し、国際大会、世界の頂点に立とうとすることは、言い換えれば男性の身体にどこまで近づくのかということにもなります。おそらく一時的にであっても女性としての身体組成の改善、改造が必要と考えられます。

しかし、改造時の傷害は一時的、短期的なものに限定し修復可能な身体状況にとどめておくことが「女性とスポーツ」を考える上で重要な問題になるでしょう。

急速に科学技術が進歩しているとはいえ女性に関する資料はまだ少なく、不明な点が多い現状ですが、ここでは女性の身体のメカニズム、身体特性、女性とスポーツを取り巻く世界の情勢、環境についてもできる限り触れてみたいと思います。

21世紀に入った今、性差と考えられていたものが、本当に生物学的、遺伝的なものだったのか、後天的な経験の差のためだったのか、興味深いものがあります。今後はさらに多くの女性達が自分の身体について責任と関心を持ち、数ある選択肢を享受できる状況が生まれれば、特別に「女性とスポーツ」と言う必要はなくなるはずです。従来「男性とスポーツ」という言い方はされません。スポーツは男女共有のものであり、人類共通の文化です。スポーツを行うことで、多くの人たちに心身の健康をもたらすことへの付加価値は計りしれません。

男性指導者が女性の身体をより理解する手段の一つとしても本書の内容が役に立つことを願います。

2005年3月16日
石田良恵

女は女が強くする
著者/井村雅代、宇津木妙子、五明みさ子
発行/(株)草思社 03-3470-6565(営業)
※購入に関するお問い合わせは上記出版社までお願いします。

 強くなるというとき、指導する者=コーチと指導される者=選手にはそれぞれ 大事なことがあります。両者があいまって初めて強くなれる。
 コーチには何が大事かというと、まず第一に選手の「現実」を 認めること。現実とは、選手の長所はもちろんですが、短所も含めてという意味です。たとえば、理解が遅い、動きが鈍い、調整力が 悪い、手の振りが下手・・・。コーチはそういった選手の短所を真正面から受けとめ、そのスポーツに有利なように選手を作り変えていく のが仕事なんです。
 一方、いくらコーチが「変えてやろう」と思っても、選手に「心の才能」がなかったらうまくいきません。 心の才能というのは、自分に掲げられた目標に対して、よし、頑張るぞと立ち向かっていけること、物事をポジティブに考えることが できること、それから、コーチのいうことを本気で信じられるかどうかです。
 「女は女が強くする」私はこのタイトルが 百パーセント正しいとは思いません。選手の心さえ理解したら男性が女性を強くすることも可能だからです。
 今までは、女性選手に対して女性コーチのしぶとさ、しつこさが生かされてきました。シンクロの世界もそれで勝ってこられた のは事実です。しかし、これからは男性的な考え方も取り入れるべきだと私は考えています。いろいろな発想をしないと世界で 勝つのはむずかしい時代に入ってきました。
 宇津木妙子さんのソフトボールは、どちらかというと男性指導者主導のスポーツです。逆に五明みさ子さんの新体操や私の シンクロは、女性指導者が主導になっています。けれども、これからのスポーツ界は、女だから男だからということにとらわれては いけないのではないでしょうか。両性の協力によって世界に立ち向かっていかなければならない時代に来ていると思います。 このささやかな私たち三人の話が、その可能性を示す手助けになればと考えています。

井村雅代「まえがき」より

ボディワイズ・ウーマン女性のための知的フィットネス・ライフのすすめ
著者/ジュディ・M・ルター&リン・ジャフィー 監訳/辻秀一
発行/(株)大修館書店 03-3295-6231(販売部)
※購入に関するお問い合わせは上記出版社までお願いします。

 精神的、肉体的に多くのメリットを与えてくれるスポーツやエクササイズでも、ただやみくもに 量をこなせばいいというわけではありません。なぜ、どのように、どのような環境下で行えば最高の効果が得られるのか?女性の健康・ フィットネスに関する全米屈指の専門研究機関の研究成果を基に、従来のダイエット本や健康本では決して触れなかった女性特有の 身体づくりについて、体系的に、わかりやすく解説しました。

第1章 心の鏡にどんな自分が映っていますか?
第2章 さあ、身体を動かそう!
第3章 月経とは
第4章 妊娠中も活動的に過ごす
第5章 子どものフィットネス
第6章 活動的な女性と年齢とのつき合い方

目でみる女性スポーツ白書
編著/井谷惠子、田原淳子、來田享子
発行/(株)大修館書店 03-3295-6231(販売部)
※購入に関するお問い合わせは上記出版社までお願いします。

 女性とスポーツに関わる各種の研究データを9つの視点から収集、分析。その現状と 課題を浮き彫りにするとともに、21世紀における新たなスポーツ像を展望する。

第1章 女性スポーツをめぐる世界の動向
第2章 競技スポーツと女性
第3章 女性の生涯スポーツ参加
第4章 スポーツ産業と女性
第5章 メディアに見る女性とスポーツ
第6章 「女の子」とスポーツ
第7章 学校体育と女性
第8章 女性のからだ
第9章 女性の生活とスポーツ参加
資料編