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第3回世界女性スポーツ会議
女性とスポーツに関するIWG正式発表

2002年5月19日 モントリオール

翻訳者: 小仲京子(JWS正会員)、原 彩子(JWS正会員)

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第3回世界女性スポーツ会議のWebサイト http://info@canada2002.org/

正式発表の原文(英語) http://info@canada2002.org/e/communique/index.htm

 2002年5月16−19日の期間でカナダのモントリオール市で開催された第3回世界女性スポーツ会議には、 世界97ヶ国550人以上が参加した。会議はIWGの支援の下でカナダ政府(スポーツ・カナダ)が主催し、 カナダ女性スポーツ振興協会(CAAWS)が進行を担当した。

 会議は、女性がスポーツや身体活動で直面してきた困難を認識した一方で、過去4年にわたる前向きな変化も祝福した。 世界中の輝かしい女性リーダー達の決断や業績は、困難に打ち勝ち、変化を促進し、機会を増加させる女性のパワーを証明した。 会議の参加者たちは、個人やコミュニティーそして国家の発展に関するスポーツと身体活動のパワーについてそれぞれの経験を 紹介しあった。またスポーツが女性の発展、協力、コミュニティーにおけるリーダーシップ、国際理解と平和、そして健康と自己 実現の基礎となる自尊心や自信などを促進することが確認された。さらにすべての女性と少女がニーズと能力に応じたスポーツや 活動に参加できる方法についてディスカッションが行われた。いかに包括的で安全で尊重されるスポーツの文化やシステムに変える ことができるか、またどうやって政府、スポーツ組織やメディア、メディアへ資金援助をする立場に影響を与えられるかなどが話し 合われた。

 会議の全ての参加者たちは、スポーツにおける女性と少女のあらゆる機会を増加させるためにそれぞれの国や立場で使用できるような 資料やアイディアを盛り込んだ「Toolkit(道具箱)」を提供された。そして変化を起こすために個人でできる行動、例えば1994年の ブライトン宣言や1998年のウィンドホーク行動要請を各々の地域や国で実行する、を計画するようにという課題が与えられた。テニス チャンピオンのビリー・ジーン・キングは、会議参加者に次のように述べた。「“我々”は“私”であり、“彼ら”ではない。− 我々 は全てを変えることができるのです。」

 会議テーマである「変化への投資」は女性および少女のスポーツと身体活動の基盤整備と資源を支援していくという本会議の基本的考え方 である。参加者たちは女性と男性間の協力の促進、そしてこの会議からの遺産を創り出すために以下のような方法で教育に対する個人、 組織そして政府による協力などを推進した。

  • 自尊心と自信を向上させることによって、女性および少女が社会的・個人的な障害を乗り越える助けをすること。
  • 女性教師、役員、マネジメントやコーチを訓練し、最高のレベルまで向上させるために激励すること。
  • 女性選手が模範となるような行動をするよう奨励すること。
  • 若い女性たちに、リーダーとなり、後輩のための助言者として行動できるような権限を与えること。
  • 経歴や才能に関係なく、女性のニーズを満たし、人を尊敬する文化を育むこと。
  • スポーツにおけるセクシャルハラスメントと虐待を撲滅すること。

 本会議は女性および少女のスポーツと身体活動のために以下のような継続的基盤整備を求めた。

  • 遊びや身体発達の為の安全な空間
  • 基本的な運動機能と能力を発達させるため、全ての子どものためのきちんとした学校体育教育―生涯スポーツの基本
  • 競技とトレーニングへの平等な機会
  • 早い性経験、10代の妊娠、薬物乱用、HIV/AIDS、運動不足や肥満など危険行動を避けるためのスポーツの効果に対する認識を持たせ、良いライフスタイルを選択する能力の促進
  • 実践、政策、そして研究、特に支援を得るための結果やより改善されたスポーツや身体活動プログラムを提供できるような研究との強いつながり
  • スポーツと身体活動のあらゆるポジションやレベルで働く女性たちの有効的なネットワークとコミュニケーション
  • スポーツと身体活動におけるジェンダー・エクイティ(男女共生)への戦略的なアプローチ

 会議参加者550人は、IWGに対し、これから4年間で以下の目的について明確にし、2006年熊本での第4回女性スポーツ会議で報告することを要請した。

  1. それぞれの国がCEDAW(女性差別撤廃委員会)への報告書に女性のスポーツと身体活動について含めるように国連や会議参加者に勧めること
  2. 第3回女性スポーツ会議の公式報告書を2004年MINEPS W(ユネスコの後援で開催される第5回体育スポーツ大臣会議)で発表すること。
  3. ブライトン宣言及びウィンドホーク行動要請の進行状況を監視すること、スポーツを通しての女性、地域社会、国の発展の証拠を集めること。
  4. 世界中で女性とスポーツに取り組む人々のために財源の援助を拡張すること。
  5. スポーツや身体活動の政策と供給におけるジェンダーの主流化*の実例を記録し評価すること。
  6. 体育における世界的危機の影響を監視し続け、少女および若い女性に対する学校体育の価値を証拠に基づいて擁護すること。
  7. 女性スポーツおよび体育のための国際的な組織の研究を支援し促進すること、全国と地方のレベルにおける政府組織(GOs)と国内組織(NGOs)、国内オリンピック委員会(NOCs)と体育組織間を含む女性とスポーツの発展のために持続可能なネットワークや構造を促進すること。
  8. 国内と国外レベルにおいて、健康、教育、ジェンダー・エクイティ(男女共生)機関の間の活発な協力を促進すること。
  9. 国際スポーツ組織や(IOCが推進する)オリンピックムーブメントと協力的に活動すること。
  10. ジェンダー・エクイティ(男女共生)に向けてスポーツ組織間の文化的・構造的変化を促進するために率先して働くこと。

*CEADAW(Committee on the Elimination of Discrimination against Women)
女子差別撤廃条約の実施に関する進捗状況を検討するため1982年に同条約第17条に基づき設置された組織。
Webサイト(英語):http://www.unhchr.ch/html/menu2/6/cedw.htm

*ジェンダーの主流化
ジェンダーの主流化とは,すべてのシステムと構造の中−政策,計画,過程,企画の中,文化や組織の中,見る方法,する方法の中―にジェンダー・イクォリティ(男女平等)を制度的に組み込んでいくことである。